『相続に関する時系列での実務ガイド』

「生前対策」「相続発生直後」「相続手続き」の3つのフェーズで整理します。

【フェーズ1：生前対策期】（被相続人の存命中）

■ 5年以上前から

1,財産の棚卸しと評価

2,生前贈与計画の立案

3,不動産の共有化検討

4,自社株の種類株式化

5,事業承継税制の適用検討

6,家族信託の検討

7,生前贈与の実行開始

■ 3年前から

1,相続人の特定

2,遺言書の作成

3,生命保険の契約見直し

4,後見人の検討

5,エンディングノートの作成開始

6,デジタル資産の整理

■ 1年前から

1,預貯金の整理・名義変更

2,重要書類の保管場所の共有

3,取引金融機関の整理

4,相続人への意思確認

5,介護計画の策定

【フェーズ2：相続発生直後】（死亡～2週間程度）

■ 死亡直後（24時間以内）

1,死亡診断書の取得

2,葬儀社への連絡

3,近親者への連絡

4,勤務先への連絡

■ 1週間以内

1,死亡届の提出

2,年金事務所への届出

3,健康保険証の返還

4,銀行口座の凍結確認

5,公共料金の名義変更手続き

6,遺言書の有無の確認

7,相続人全員の連絡先確認

■ 2週間以内

1,相続人会議の開催

2,相続関係説明図の作成

3,遺産の概算額の把握

4,各種解約手続き開始

5,相続税の概算額試算

【フェーズ3：相続手続き期】（死亡後～10ヶ月）

■ 3ヶ月以内

1,遺産整理の基本方針決定

2,相続人代表者の選定

3,相続財産の調査・評価

4,負債・債務の確認

5,相続放棄の検討期限（3ヶ月）

6,預貯金の払戻し手続き

7,不動産の評価依頼

■ 6ヶ月以内

1,遺産分割協議の開始

2,不動産鑑定評価の取得

3,相続税の納税資金の検討

4,物件売却の検討開始

5,建物の固定資産税精算

■ 10ヶ月以内

1,遺産分割協議書の作成

2,相続税申告書の作成

3,相続税の納付準備

4,不動産の名義変更

5,各種名義変更手続完了

【フェーズ4：相続後のフォロー】（相続税申告後）

■ 申告後3年以内

1,修正申告の検討

2,追加売却の検討

3,相続税の分納手続き

4,未分割財産の処理

5,相続税の更正の請求期限管理

各フェーズでの専門家との連携タイミングが重要なポイントとなります。

さらに、

・必要書類のチェックリスト化

・期限管理の徹底

・相続人間の合意形成プロセス

・想定外の事態への対応準備

・コスト管理の視点

・トラブル予防の観点

にも注意が必要です。