『（コラム）行政庁間で情報共有に関する見直し』

令和4年度税制改正では、相続税法５８条について次のように改正が行われました。今後の税務署が取得しようとする情報に「大きな変化がある」というわけではありませんが、行政長間での情報共有が強化されたといえます。

なお、この改正は戸籍法の一部を改正する法律の施行日以後に適用されます。

相続税法第58条について

相続税法第58条は、相続税の申告漏れを防ぎ、税収の確保を目的とした重要な規定です。

この条文は、市区町村長などが死亡に関する届出を受けた場合、その情報を速やかに税務署に通知しなければならないと定めています。

具体的には、以下のような内容が通知されます。

なぜ税務署に通知するのか？

相続税の申告漏れ防止: 相続が発生した場合、相続人全員が相続税の申告義務を負います。しかし、申告漏れが発生するケースも少なくありません。この条文により、税務署が相続発生の事実をいち早く把握し、申告漏れを防ぐことができます。
税収の確保: 相続税は、国や地方公共団体の財源として重要な税金です。この条文により、税収の漏洩を防ぐことができます。

近年、この条文は電子化が進み、より効率的な情報連携が可能となりました。具体的には、市区町村から税務署への通知がオンライン化され、事務処理の効率化が図られています。

相続税法第58条により、税務署は相続が発生したことを把握しますが、相続税の申告は相続人自身が行う必要があります。税務署から送られてくる「相続税の申告等についてのご案内」などの書類は、この条文に基づいて送付されるものです。

相続が発生した場合、相続人の方々は、この通知を参考に、相続税の申告手続きを進める必要があります。

相続税法第58条は、相続税の申告漏れを防ぎ、税収の公平性を確保するための重要な規定です。相続が発生した場合、この条文に基づいて税務署から通知が届きますので、相続人の方々は、この通知を参考に、相続税の申告手続きを進めていきましょう。

もし、相続税についてご不明な点がございましたら、税理士など専門家にご相談ください。

ご質問があれば、お気軽にお尋ねください。